「バックドラフト」と「フラッシュオーバー」の違いを簡単に解説します。
違いが分かりづらいと言われるバックドラフトとフラッシュオーバーですが、見る人の主観によって「これはバックドラフトだ」「これはフラッシュオーバーだ」と決定づける境い目が微妙だからです。
違いは、箇条書きで項目ごとに対比して、違いを浮き上がらせます。
バックドラフト
①場面
室内
②環境
気密性が高い
空気中の酸素が減少
③発生直前
火勢が衰え鎮火したような状態になる
④発生
ドアを開けると、酸素が急速に供給されるため、爆発的に火の勢いが拡大し、火の海となる
☆対象:気体(酸素)
☆前兆:呼吸音や口笛のような音や、窓がガタガタと音を立てる
☆名前の由来:ドアを開けた人が押し戻される(バック)ような気流(ドラフト)が発生することによる
フラッシュオーバー
①場面
室内
②環境
気密性は関係ない
酸素は十分にある
③発生の直前
局所的な火災だが、可燃物が火災による熱によって成分が分解され、引火性のガスが発生し充満している
④発生
熱分解された可燃性建築材が一気に発火し、部屋全体に急速に延焼拡大
☆対象:個体(物質)とそこから発生するガス
☆前兆:屋内上層に散発的に小さい閃光(フラッシュ)が見られる
☆名前の由来:急速な延焼拡大で閃光(フラッシュ)が発生することによる
まとめ
バックドラフトとフラッシュオーバーはどちらも室内火災で起き、爆発的に燃え広がる点で、一見すると似ています。
一言で表すと
・バックドラフトは、酸素不足で,いったん火災拡大がおさまった後に発生
・フラッシュオーバーは、酸素がある状態で火災拡大していく過程で発生
と言えます。
以上、ご参考としていただければ幸いです。