ABC粉末消火器のABCとは?
火災の種類は?
これらについて考えてみます。
身近にある一般的な消火器ですが、日常生活で想定される火災には、ほぼ対応できます。
しかし、すべての火災に対応できるものではありません。
火災の種類はいろいろあるからです。
そこで今回は「ABC粉末消火器で対応できる火災と対応できない火災」を解説します。
ABCは、A火災、B火災、C火災の意味
A火災は普通火災、一般火災
・木材、紙などの一般可燃物で、普通住宅やビルなどの内部火災
B火災は油火災
・ガソリンなどの石油類、食用油、可燃性液体、樹脂類などの火災
C火災は電気火災
・電気室や発電機からの出火で、感電の危険性がある火災
消防法は、A火災、B火災、C火災、D火災、ガス火災に分類
ABCの他に、Dとガスがあります。
D火災は金属火災
・マグネシウム、カリウム、ナトリウムなどで引き起こされる火災
ガス火災
・都市ガス、プロパンガスなどの可燃性ガスでの火災
火災の分類(被災物別)
※消防庁の発表する『消防白書』では火災種別を、5つとその他で6種別としている
建物火災
・建物やその内部の収容物が燃損した火災
林野火災
・森林、原野又は牧野が燃損した火災した火災
車両火災
・自動車車両や鉄道車両などとその積載物が焼損した火災
船舶火災
・船舶やその積載物が燃損した火災
航空機火災
・航空機やその積載物が燃損した火災
その他の火災
・建物火災、林野火災、車両火災、船舶火災及び航空機火災以外の火災(空地、田畑、道路、河川敷、ごみ集積場、屋外物品集積所、軌道敷、電柱類等の火災)
ABC粉末消火器で対応できる火災と対応できない火災は?
・一般の建物火災
・林野火災
・車両火災
・船舶の一部火災
・航空機の一部火災
・その他の火災
の火災は対応できます。
しかし、建物と船舶と航空機は、設置物や積載物によっては対応できません。
特に発火性金属の工場では、金属に対して使えません。
発火性金属が発火する現象は、金属の活性面と空気中の水分が化学反応を起こすことで生じます。ABC粉末消火器は水分を含まなくても、放射圧力により金属表面の酸化物を破壊し、燃焼している金属部分を飛散させて燃焼を早めてしまうことがあるため、使用できません。
☆ここに注意
発火性金属は水により爆発する
まとめ
ABC粉末消火器は、日常生活で想定される火災には、ほぼ対応できます。
消火に対応でる範囲が広いため、消火能力が高いと言われています。
現在市販されている小型消火器具の中で初期消火においてなくてはならないものです。
手の届くところに置いて、いざという時に躊躇なく使えるようにしましょう。
参考としていただけたら幸いです。