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防災で残念に思うこと

 

はじめに

防災は「事前防災」と「事後防災」の2つあります。
・事前防災は、予め対策を行うことで被害そのものを避ける対策
・事後防災は、被災したときに困らないように準備しておく対策

事前防災と事後防災はどちらが大事とかではなく、どちらも必要な対策です。
しかし、報道は事後防災に偏っています。既に起こった災害を報道するから仕方ないのですが、事前防災はニュースになりません。

事後防災を占めるのが防災グッズを揃えることです。
ただ、誰しも同時に2つのことをできない傾向があるため、事前防災はスルーしがちです。
しかし本当に考えておかなければならないことはむしろ事前防災です。

防災の基本に「自助」「共助」「公助」があります。
地域の防災訓練で耳にしますが、自治会や行政でよく聞く言葉です。
平時にこれら防災のニュースはなく、メディアからの情報発信は限られています。
そのため地域につながって情報を得ていく必要があると思います。

防災の基本は「自分の命は自分で守る」ことで「自助」が最初です。
そうした人たちの手で、地域住民が連携して安全を守る「共助」が支えられます。
大切なのは助け合いですが、基本は「自助」でしょう。


防災の最初に思うこと

近年の災害による被災の規模を見て思うのは
・災害が大きくなっていること
・前の世代しか知らない災害レベルが来ていること

この国の意識としての問題は
・危機意識が見劣ること
・安全について指示待ちなこと

行動面で気になるのは
・警報が出ていても出社させたり出社したりすること
・警報が出ていても交通機関を止めないこと
・警報が出ているのにその場所に行ったり遊びに出かけたりする人がいること
・メディアの報道局が警報区域にあっても業務をしていて自分たちは避難していないこと
・警報段階では、メディアがバラエティー番組を流していること
・大災害が発生して初めてメディアが報道を始めること

以上のように、素朴に思うことがたくさんあります。
何か基本的なものが抜けているのではと感じます。
この違和感は何かと考えると、危険が間近に迫っていても世間では矛盾した行動をとっているからと思います。
防災マニュアルや防災のノウハウなどから学ぶことも大切ですが、自分の問題として意識することが必要です。防災意識が持てなければ学んだことが素通りします。

国レベルで見たら海外との意識差は明白だと思います。
「自分の国は自分たちで護る」という防衛意識が薄くて、他の国が護ってくれると考えて何も対策を講じない国民性とも似たようなものを感じます。
反面では、事後防災としての「共助」の意識は高く、海外から注目されたりします。
災害が起きた後の対応は、それは素晴らしいわけですが、悲しさが伴います。
事後防災の能力が高いのに、事前防災が見劣りするのは残念です。
この国が忙しすぎるせいなのか、周りの目を気にするせいか、災害が起きてからの対応しかできないでいることが残念です。
全体的に何事につけ、事前に対応する意識が低いと思えます。


おわりに

防災について、不思議に思うことは多いです。
近年の災害は家ごと流されたりする悲惨な場面があります。
そうしたときに「想定外」という言葉が聞かれます。
この国では「想定外」なら誰も責められず、仕方ないということで済むからでしょうか。

本当に「想定外」だったのかなと思うのは筆者だけでしょうか。
状況が落ち着き、被害の全貌が明らかになるにつれて多くのことが分かってきます。
たいていの場合、同様の災害がその場所で過去にも起きていたことを知らされます。
そのときはじめて、その災害が「想定外」ではなかったことが分かります。
実は知らなかっただけということでした。
地域の防災担当者や被災した方々が知らなかったということが多いようです。

実際の被災地域をよく見ると、昔も同様の災害が起きた地域であることが多いです。
数十年前だったり、数百年前だったり、別の言い方では、三世代くらい前の昭和初期だったり、五世代くらい前の明治期だったりと様々です。
長いスパンで起きた災害ほど大きいものになります。

過去の災害を知る人は「想定外」の言葉は使わないでしょう。
この言葉は過去に経験のないことが起こったときに使う言葉だと言えます。
「想定外」と言わない防災が、望まれる防災と思います。


今回はここでおわります。


防災のテーマでは、基本的なことや素朴に思うことをつづっていきたいと考えています。
防災に関心のある方に参考にしていただけたらと思います。