今年の春先にタクシーの事故がありました。
深夜に歩行者をはねて死亡させた事故です。
タクシーの運転手は、家族の知人のそのまた知人でした。
家族の知人は、そのまた知人と同僚として働いたことがあるそうです。
そのまた知人は真面目で良い人なので、家族の知人は職場を離れてもよく覚えていて、元同僚のこの先を心配しているとのことです。
家族の知人は、タクシー会社で事故があったときの会社の姿勢を話してくれたそうです。
その話のなかに、何故って思うことがありました。
タクシー会社は交通事故を起こしてもマスコミに社名を出させない
タクシーが交通事故で加害者となった時に、その記事で社名を見たことがあるでしょうか。
家族の知人の話しでは、そのタクシー会社は交通事故を起こしてもマスコミに社名を出させないそうです。
金銭を払って抑えているか、広告を出しているクライアントなので忖度されている、といったことでしょうか。
このタクシー会社は地域の最大手で、鉄道やデパートやホテルも展開しています。
最近、
「なぜタクシーが事故っても会社名が報道されないのか?危ない運転手の共通点」
というタイトルで、会社の違う2人のドライバーがタクシー業界の裏側について対談している記事を見ました。
記事中、死亡事故を起こした運転手は即刻クビになることや事故を起こした会社名も絶対に出ないことが語られています。
タクシー業界の非常に恣意的で傲慢な体質を感じざるを得ません。
バスも電車も事故れば会社名が出るのにタクシーが事故っても会社名が出ないアンバランス
バスも電車も事故れば会社名が出るのに、タクシーは事故っても会社名が出ないのはバランスを欠いています。
タクシーも最近は公共交通機関として認識されつつあります。
その前提では、タクシーもバスも電車も同じ扱い方とするのがバランスがとれています。
死者が出ている以上、報道機関には同じように取り扱ってもらいたいものです。
事故を起こした会社は隠蔽の圧力をかけない。
報道機関は社会の公器としての仕事をする。
それが成熟した社会でしょう。
こういった体質は、いずれ大きな問題が生じたときに、会社の危機を招くかもしれません。
正常な判断を失っていくからです。
自動車事故は意図せず起こしてしまうことがあります。
運転手に過失がなければ、即刻クビは「ない」と思います。
立ち直るチャンスもなく不幸な人が増えるだけです。
運転させられないならスタッフに回すなど方法はあるはずです。
再発防止的にも、タクシー会社には真摯な姿勢を望みたいところです。
一般の良識と隔たりのある姿勢です。
これからの時代にそぐわないのではないでしょうか。
公表して再発防止に努めることは会社のためになります。
底辺に昭和的なマインドを感じます。脱昭和が必要でしょう。
いたるところにある隠蔽体質
大企業で隠蔽体質のところは多いと思います。
筆者の関係する企業も隠蔽体質です。
従業員の就業中の飛び降り自殺があっても報道されません。
工場での事故で人が亡くなっても報道されません。
刑事事件とならないから、公表の必要ないとでも考えているのでしょう。
社員の過労死や自殺、機器の操作ミスによる自損事故、これらは民事なので事件性がないから報道しないのは当たり前という考えが見え透いています。
大企業は歴史が長く老舗のところが多いですが、裏を返せば古い体質と言えます。
伝統を守る意味での体質はいいでしょうが、悪い体質や時代に合わない体質は変えるのが時代の流れです。
社内の問題だけなら公表する必要はないでしょう。
しかし大きな会社は、社会への影響が大きく、事故等が人の死亡に関わるなら、公表を圧力で止めるのは間違っています。
なぜならそれは良い社会ではないでしょう。
おわりに
組織が大きくなればなるほど隠蔽体質は進んでしまうものです。
しかし、組織が大きくなればなるほど、個人的なものから離れて社会の公器に成長していくことが求められます。
個人的な考え方から脱皮できてこそ、社会に受け入れられると言えるでしょう。
まだまだ大企業で隠蔽体質のところは多いと思います。
しかし社会は急速に変わり始めています。
近年、大手広告会社社員の自殺などをきっかけにして「働き方改革」という流れもできました。
昭和の悪いところは否定されつつあります。
集団のみを守るのではなく、その中にいる人も外にいる人も守る社会へと変わることを期待します。
全体の繁栄を導くような成熟した社会になればいいですね。
また、気づいたことがあれば記事にします。
訪問していただきありがとうございます。