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管理費と修繕積立金と駐車場代が足らない 「分譲マンションの保守点検と大規模修繕の現実」

最近「分譲マンションの理事長体験談」を紹介しました。

記事のリンク先↓
管理費と修繕積立金を払わない住人 ~分譲マンションの理事長体験談~ - モーニングセット

 

理事長の体験はちょっと重いです。
単独で管理会社とやり取りするし、難題が生じたら解決を図る中心になります。

真面目に取り組めば大変なことが多い理事長です。
管理会社に任せっきりで大変な思いをしないなら幸せであり、本来はそう願いたいものです。

ただ、理事長をやったことで気付きもあります。
それは、管理費と修繕積立金と駐車場代が足らない、という気付きです。

 

マンションの修繕計画が破綻する

調べるとマンションの修繕計画の破綻を予測する記事が多くあります。
いずれも事細かに説明がされています。
多くは私の抱いた不安と関係する内容です。

それらの記事はその道のプロの記事なので、その視点で語られています。
十分に説得力のある現実的な内容のものばかりです。

細かいことはそれらの記事に譲りますが、理事長経験の視点で現実を紹介します。


管理費と修繕積立金と駐車場代の内訳

このマンションの維持費は以下のとおりです。

総戸数 34戸

一戸あたり毎月の平均金額
管理費    約9000円
修繕積立金  約5000円
駐車場代
※平面  11台 6000~7000円
※機械式 26台 4000~5000円

全戸の年間の合計金額(全34戸×12月)
管理費    約360万円
修繕積立金  約200万円
駐車場37台分 約230万円
合計     約790万円


この分譲マンションで毎年掛かる維持費のベスト3

驚いたのが機械関係と人件費です。

エレベーター保守点検費 約90万円(フルメンテナンス)②☆
機械式駐車場保守点検費 約50万円③☆
共用電気関係費     約80万円☆

管理会社委託費     約330万円
※内訳の大きいもの
 管理人派遣費     (約150万円)①
 機械管理費      (約50万円)☆

合計      約550万円

毎年掛かる維持費のベスト3は
管理人派遣費とエレベーターと機械式駐車場です。約290万円です。
共用電気関係費約80万円の大半はエレベーターと機械式駐車場ですし、管理会社委託費の機械管理費も分からないものです。
ご年配の管理人に機械の管理ができるとも思えません。
☆を付けた機械関係費用の合計は約270万円です。
☆とベスト3の合計は約420万円です。

こうして見ると、機械関係と人件費の大きさが分かります。


この分譲マンションの大規模修繕で掛かる維持費のベスト3

では大規模修繕の費用を見てみましょう。こちらは長期です。

築15年後の建物大規模修繕 約3000~5000万円①
築25年後のエレベーター交換工事 約1500万円③
築25年後の機械式駐車場交換工事 約2500万円②

これに追加で
・パレット(車が乗る台)の錆による塗装は数年毎に必要
・排水ピットの清掃や排水ポンプの点検修理分は別途用意
数百万円は必要です。

築25年後までに掛かる費用は約7000~9000万円プラス数百万円です。

維持費として徴収した総額から毎年掛かる額を引いた残りは毎年250万円くらいなので、25年で5000万円程度です。

ここまで見れば、管理費も修繕積立金も駐車場代も最低ラインの積立と徴収であることは明白です。
建設時の相場で作成した長期修繕計画は、25年後の相場ではないし、突然の出費も計算に入っていないです。
途中で足らなくなり、維持費の増額は避けられないことが分かります。


分譲マンションの理事長を経験して良かった

紹介した維持費のベスト3は、定時総会の配布物で分かります。
しかし普通は誰もが受け身であると思います。
そうすると、掛かるものなら仕方がないで済ませてしまいます。

理事長をやってみて良かったことは、受け身ではなくなったことです。
受け身でなくなると考えるようになります。
そして考えて早めに動けば、将来の不安も除けます。

突然起こることは、実は突然ではなくて静かに進んでいます。

考える材料が目の前にあって、考えない手はありません。


あとがき

ブログを書いていると、いろいろな記事を参考にします。
「分譲マンションの大規模修繕計画が破綻する」などの記事は正しいと思います。

多くの分譲マンションは、管理費と修繕積立金と駐車場代という維持費を途中で増額して対応していると思います。
そうしないと突然の出費になり大変なことになります。

先々のことを考えてくれる管理会社を選ぶこと、よく話し合うこと、無駄を省くこと、などが必要です。

維持費のベスト3を紹介した理由は、金額に私自身が驚いたからですが、その他にもあります。

たとえば、機械式駐車場を更新せず平面駐車場にして維持費を減らす参考にもなります。
最近は空き地も増えているので、近くに駐車場を借り上げる方法もあります。

一般的にマンションの「金食い虫」は機械式駐車場と言われます。
維持費を増額する反対に、抑える方法はあります。

管理人派遣費も1日から半日にしたり、1日置きにしたり、必要な時に来てもらうようにしたり、抑える方法はあります。

先手先手で考えて、快適なマンションライフを送りたいものです。


この記事が参考になれば幸いです。