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車の給油タンクに「水抜き剤」は意味がない話

はっきり言って、車の給油タンクに「水抜き剤」は要りません。
自動車メーカー内での話しを織り交ぜて解説します。

 

最近の記事から

今日、
給油時の「水抜き剤入れますか?」なぜ減った? ガソスタ定番セリフを耳にしなくなった理由とは
というウェブニュースを見ました。

記事では、
なぜ最近のガソリンスタンドでは「水抜き剤」勧めなくなった?
の話しからはじまり、
水抜き剤ってなに?そもそもどんなときに使うの?
の話しがされていました。

最初の話しは、セルフサービスのスタンドが増加したことで、水抜き剤といった用品を勧める機会が減少している、という内容でした。

後の話しは、水抜き剤とは、燃料タンクに入れて使用する液剤のことで、燃料タンク内に溜まってしまった水分を除去するためのもの、という内容でした。

この内容はそのとおりと思います。

 

車の給油タンクに「水抜き剤」が不要な理由

このブログでは、筆者の知っていることを書き留めます。

まず、問題提起します。
「水抜き剤」はそもそも必要なものか、の話しです。

答えは、不要なものです、になります。

理由として、以下があげられます。

まず、車のメーカーはメンテナンス用品として水抜き剤を扱っていません。
メーカーが水抜き剤は不要と判断しています。
いや、判断さえしていない、と言った方が適切です。
水抜き剤が意味をなさない、ということがあたりまえだからです。
あたりまえですから、定期点検項目にもありません。

参考として、タンク内の構造についても話します。

水が入ったとしても、その水はタンク内でガソリンの下に行きます。
そして、噴射装置に送られるガソリンはタンクの底から吸い上げられます。
このとき、下に溜まった水が優先的に吸い上げられます。
ですから、水がタンク内に溜まり続けることはありません。

ただ、モータリゼーションの発展期までの車のなかには、水抜き剤の使用が有効な場合があり得ます。
※50年くらい前の車ですので、ほぼ残っていません

そのころの車は、タンク内が錆びやすい、ということはありました。
しかしそれでも、日常的に使う分には錆びない、と言えます。
まれに、ガソリンが空のままで車を使わず放置した場合に、タンク内が錆びることはあります。

この場合でも、発生数としては多くありません。
通常の保守点検をしているなかでの発生件数が多ければ、メーカー保証となったり、更にはリコールとなります。
いままで、そうしたことが起きていないことを見ても、「水抜き剤」は意味がない、と言えます。

 

あとがき

健康関連や医療関連、食品関連など、昔は健康に良いとされていたものであっても、その後の研究で異なる論文が発表されると、まったく違っていたとされる場面が多くなりました。
近年においては昭和の時代の多くが否定されつつあります。
感覚的に広まっただけのものもあり、根拠の曖昧なものがあったりするからでしょう。

もう何十年も普及してしまっている「水抜き剤」ですが、これを今さら否定することはできないのは仕方がありません。
否定しづらいバイアスもかかるでしょう。
多くの関係者がいますし、用品メーカーの立場もあります。

救済的な話をしておくと、「水抜き剤」は、車の給油タンクにとって悪いものではありません。
「水抜き剤」は、使いたいなら使ってもいいものです。
ただ、あまり意味はないのは知っておいた方がいいでしょう。

食品の良し悪しが変わるほどには影響はないでしょう。


時代が進むにつれて、考えを切りかえることは正しい判断です。
情報や知識をアップデートしていくことは、個人にとっても企業にとっても必要と感じます。

 

ブログを見にきてくださった方のご参考になればと思います。