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在宅避難のための事前防災と事後防災

地域全体が災害にあったとき、どうするのがよいでしょうか。
先ずは安全の確保です。
そして被災者がいれば、助け合うことが必要です。
次に生活の維持です。
インフラが復旧するまで耐えることになります。

一旦、避難所に行ったとしても、いつまでも避難所暮らしではままなりません。

そこで今回は、在宅避難について話します。
あわせて、在宅避難を可能とするための、事前防災と事後防災についても触れます。

在宅避難とは

大規模な災害が発生した場合に、自宅の倒壊や浸水等の危険がなければ、自宅で生活を続けることができます。
避難所で生活するのではなく、自宅で生活をしつつインフラの復旧を待てばいいのです。
こうした自宅での避難生活を在宅避難といいます。

避難生活を自宅でするのですから、それなりに不便です。
でも、慣れた自宅で過ごせるのなら、避難所での生活よりは良いと言えるでしょう。


避難所での生活

避難所での避難生活を考えてみます。

避難所の多くは、学校の体育館や地域の公民館です。
広い空間を家族単位でパーティション(ダンボール程度のもの)で区分けします。
区画の広さはキャンプでのテント並みか、少し広いくらいと考えるとイメージできるでしょう。

避難所での生活はプライバシーがないためストレスになります。
そこでは多くの人が共同生活します。
子供と大人、男性と女性、赤ちゃんもいるでしょう。
何百人も寝泊まりすることになります。
当然のことですが、風邪やインフルエンザやコロナなどが蔓延しやすい環境です。

避難所での生活が続けば亡くなる方も出るでしょう。
亡くなる方が出れば直ぐに広まります。
そうなると、避難所全体の気力を奪う恐れもあります。

しかし、良い面もあります。
自宅が壊れて住めないなら、避難所が唯一の生活場所となります。
公助が機能していれば、生活物資に困ることはありません。
体と心が健康なら十分に生き延びられます。

生き抜くための環境が避難所には用意されています。
それは避難所が行政で運営されているからです。
その意味では安心で安全な場所です。


在宅避難ができる前提

基本として安心で安全な場所は避難所です。
しかし、避難所の生活に耐えられない方もいるでしょう。

よく自分と家族を見て、自分達に合った避難場所を確保するといいでしょう。

まず、在宅避難の余地が有るか否かを判断します。

在宅避難の前提は、自宅が安全な場所であることです。
ハザードマップで自分の住む地域のリスクを確認することは必要です。
また、自宅が耐震基準をクリアしていることも重要です。

宅建物が安全な場所にあって、災害に耐えられることが前提です。

広域災害と言えば大地震ですが、沿岸部では津波もあります。
津波の場合は、建物が耐えられたとしても海水をかぶったら住めません。
なので、津波の恐れがないこと、大地震でも大丈夫なことがポイントです。

また、周辺の被災の程度を想定しておくといいです。

自宅だけ堅牢であっても、周辺がほぼ壊滅していたら住めるでしょうか。
恐らく無理でしょう。

したがって地域性も見ておく必要があります。
町全体が災害に強い地域であれば、在宅避難のできる環境と言えます。


在宅避難の準備

在宅避難の準備は2つあります。
家具類の転倒対策と食料や日用品の備蓄です。

在宅避難の準備(その1):家具類の転倒対策

地震の場合、建物が堅固で大丈夫としても、家の中が滅茶苦茶になることはあります。
そうなっては生活できません。
そのため、大きな家具は固定しましょう。
また、冷蔵庫や大画面テレビなどの固定も必要です。
家具や冷蔵庫などは、前方に何もなければ完全に倒れてしまったり、止まるところまで飛んでいったりします。
震度7ならそのようなことがあり得ます。

在宅避難の準備(その2):食料や日用品の備蓄

在宅避難といっても、自宅に何も用意していないなら生活できません。

在宅避難は、生活を維持するための準備が必要です。

まず、生存のための飲料水や食料の備蓄が必要です。
飲料水はケース売りのペットボトル、食料はレトルト食品や缶詰などの保存食を備蓄します。
基本は3日分、大災害を想定すると1週間分が必要です。

生活のための日用品も必要です。
これは、普段使いの用品を多めに用意しておくとよいでしょう。


在宅避難のための事前防災と事後防災

防災は事前防災と事後防災の2つあります。
「事前防災」は、予め対策を行なうことで被害そのものを避ける対策です。
「事後防災」は、被災したときに困らないように準備しておく対策です。

「在宅避難ができる前提」で述べた、自宅建物が安全な場所にあって災害に耐えられることは事前防災です。
「在宅避難の準備(その1)」で述べた、家具類の転倒対策も事前防災です。
「在宅避難の準備(その2)」で述べた、食料や日用品の備蓄は事後防災です。

事前防災と事後防災は両方とも行なうことが在宅避難を可能とします。


【大災害】真っ先に無くなる物と使えなくなる物

大災害時には飲料水や食料品が真っ先に無くなります。

大災害までいかず、食料品店などが正常に営業できていれば、直ぐに売り切れます。
一方、大災害の場合で食料品店が正常に営業できなくても、不思議なくらいに物が無くなるでしょう。
大災害では、そのようになると想定することが必要です。

食料や日用品の備蓄は、災害の前に準備しておくことが必要です。
これらの事後防災は、必ず事前に準備しましょう。

ここで、水と食料以外で災害時に真っ先に無くなる物をあげておきます。
・電池
・カセットボンベ
ティッシュペーパー
・トイレットペーパー

また、大災害時にはクレジットカードや電子マネーが使えないと思っておきましょう。
広域で停電になると電子決済はできずATMも使えません。
そのため現金は持っておくとよいでしょう。


在宅避難を少しでも良くする備え

事後防災を万全にできたと思っても、見落としはあるものです。

在宅避難を少しでも良くするにはポイントがあります。
大災害ともなれば、電気、ガス、水道が使えなくなることを覚悟しましょう。
その想定のうえで、ひとつずつ見てみましょう。

水は飲料水だけでは足りません。
・手を洗う
・タオルを濡らして顔や体を拭く
・物が散乱して埃だらけの家を掃除する
・洗濯物を手洗いする
など、あげるときりがないほどです。

トイレ

トイレの代用品も必要です。
非常用の簡易トイレが用意できれば理想です。

照明

照明は、絶対に必要です。
特に夜が長い季節には重要度が増します。
懐中電灯だけでは、直ぐに電池切れになるでしょう。
できればソーラー充電式のバッテリーを用意したいものです。

調理器具

調理器具が無いと、せっかくの保存食も冷たいまま食べることになります。
カセットガスコンロは必ず用意しておきましょう。

部屋の温度調節

また、夏冬に必須なのは、部屋を冷やしたり暖める対策です。

夏は、電池式の扇風機を用意しておくとよいでしょう。
あわせて、窓の網戸は破れをチェックするといいです。
停電時の暑さ対策は、窓を開けておくしかありません。

冬は、灯油を燃料とする暖房器具の用意があるといいでしょう。

石油温風ファンヒーターは電源がないと使えません。
石油ストーブなら乾電池で着火して使えます。
たとえ乾電池がなくてもライターなどで着火して使えます。

カセットガスストーブが最もおススメです。
燃料としてカセットコンロ用のカセットボンベを使います。
どこにでも移動して使えて、そのうえ比較的安全です。
カセットボンベを多めに用意しておけばいいでしょう。

石油ストーブやカセットガスストーブは冬場の暖房として普段から使うといいです。

冬場の在宅避難は暖房がなければ過ごせません。
電気がなくても使える暖房器具の用意は必須です。


在宅避難時の情報収集と配布物資の調達

在宅避難は孤立する傾向があります。
そのため自身での情報収集が必要です。
大災害の直後なら、地域の情報は足を使って収集するしかないでしょう。

避難所には情報が入ってきます。
行政が運営しているからです。

時間と体力が許す限り、定期的に訪れて情報収集しましょう。

配布物資は、道路の状態、荷下ろしスペースの都合により、場所が変わることがあります。

地域によっては、非常用飲料水循環型貯水槽というのがあります。
この貯水槽は厳重に管理されています。
そのためか、避難所とは違う場所にあることが多いでしょう。

こうした水の配給を受けるには、そこに出向くしかありません。
配給時間が決められるので、その情報も避難所で確認できるでしょう。


まとめ

在宅避難のための事前防災と事後防災について触れました。

記事から、在宅避難と避難所での生活の違いが分かると思います。
在宅避難ができる前提、在宅避難の準備、と話を進めました。

事前防災と事後防災の視点で分け、それぞれにするべきことを整理しました。

【大災害】真っ先に無くなる物と使えなくなる物、在宅避難を少しでも良くする備えでは、関連品を個別に紹介しました。

また、在宅避難時の情報収集と配布物資の調達について言及しました。


防災に関心のある方に参考にしていただけたらと思います。